5月11日開花
ベニバナイチヤクソウ
黄緑色の小さな団扇のような葉
その葉っぱが密集しているだけで
俺はなんだかうれしくなってしまう
ツヤツヤとざわざわと一群をなしている
命を感じるのだ
お前はいつも新鮮なる連帯と
やさしい集いを思わせて
お前の開花を待っている
早く花が咲かないかなぁと言う焦りを全く感じさせないのだ
日本の美しい花100選に
名を連ねているベニバナイチヤクソウ
俺にはお前の声が聞こえる
適度に枯れ葉に埋もれていたい
少し湿った砂っぽい土が好きで
岩や石に沿って根を伸ばしたいんだよな~
野草を植える
育てる見守る
花芽をつける
種が育まれる
その内に本当に見たいものは花だけではなく
その自然の姿、その野草の原風景なのだと気づかせてくれる…
それを見事に華やかに
教えてくれる花の代表と言ってよいベニバナイチヤクソウ
20センチ程に伸びた大きくもなく小さくもない
鈴なりの花は華やかなのに飽きがこない
どんなに眺めていても嫌味のこない姿は
日本的な美を持っているからだろう
今、淀んでいた心の底の息が抜けるよう
塗り壁も植物もその本質は風景となる事なんだと教えられている
人間と自然
センスオブワンダー
我々は自然の姿に寄り添うことで
自分への感受性と悲しみとを養って来たのだ
この群生に心を洗われて
息吐く息吐く。