5月7日開花
チゴユリ
まだ野草のイロハも知らなかったころ…
2001年独立した俺は
地元との接点もほぼ切れて異端児扱い
孤立してしまった自分には
自然の土と水と光の塗り壁を融合させた
いつかの理想郷の夢だけが心の支えだった
背が低くうつ向いて咲く花を夕陽が導くように照らしていた
その小さな花は自分に似て
そしていつかの理想郷の一員として
深山の斜面で名も知らず採取していたチゴユリ
無心に掘って疲れて
この先俺の人生はどうなっていくのだろうかとその場であお向け
ただ雲が流れていた
名さえ知らなかったチゴユリと夕陽と行き場を失っていた俺
忘れられない、忘れられない。