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【おはよう その42 フシグロセンノウ】

8月2日開花

飛騨高山の里山に左官の挾土 秀平ハサドシュウヘイがSDGsを考えて作った里山に咲く山野草フシグロセンノウ
飛騨高山の里山に左官の挾土 秀平ハサドシュウヘイがSDGsを考えて作った里山に咲く山野草フシグロセンノウ

フシグロセンノウ

 

山道でこの花にはじめて出逢ったとき

とても単純な形で

単調なオレンジ色が分かりやす過ぎて

これはやがては飽きてしまうんだろうなぁ…と思い

少しあれば十分だと

2~3株植えて気にも留めてはいなかった。

 

ところが一年一年印象が変わり

今ではとても大切な心の花として居る

盆休みの最中に開花し、

真夏のサイレンが鳴る黙とうのとき

祖先への祈り

甲子園の歓喜の中で

この時期唯一の花として咲いているのである

 

色濃い葉群れの中で際立って哀しげでやさしいのである

 

 

風車のような花が

今は亡き恩師や感謝を想起させる不思議な力を持っているのだ

 

単純な姿や単調なオレンジ色が心の扉を開き

この花に視線を送ると数秒の無言の時が流れる

雨に濡れたフシグロセンノウに

        濡れたまま見つめる時間が流れる。

 

フシグロセンノウは

あの頃を鮮明にして蘇らせる魔力の花

 

その祈り、祈り。